Gateway to the English world - ここから英語の世界へ -

中・上級レベルの方を念頭に記事を書いています。Speaking/会話は、句動詞中心。細かなニュアンスを表現できると、英語の世界がグッと拡がります。単語は、英検1級レベルのものもボチボチ取り上げます。英語で色々な科目を学ぶことのおもしろさについても書いてます。

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1. 後退する、撤退する

●The company decided to pull back from the Japan market.
(その企業は、日本市場からの撤退を決めた)

●The government pulled back the troops from the boarder area.
(政府は、国境地域から軍隊を撤退させた)

定着ポイント
pull backは、そのまま、後ろに引っ張る。引っ張られていなくなるイメージから、後退するとか撤退する、撤回するといったニュアンスが掴めます。pull out も同じような文脈で使えるので、併せて覚えるとよいでしょう。

●We should pull out of this unprofitable business.
(不採算事業からは撤退するべきだ)

●The country was forced to pull its troops out of the conflict area.
(その国は、紛争地域から軍隊を撤退させられた)

1. 手を引く、取り消す

●They backed out of the contract at the last minute.
(彼らは、直前に契約から手を引いた)

●After you've signed the contract, it is impossible to back out.
(契約書に署名後は、取り消すことが出来ません)

●It's too late to back out now.
(今さら後には引けない)

定着ポイント
目的語に、固い約束が来ることを意識しましょう。
例文のようなcontract (契約)やcommitment (約束事)などです。

- The government is trying to back out of its commitment to reduce the pollution.
(政府は、汚染を減らすというコミットを取り消そうとしている)

辞書や参考書の例文を見ると、at the last minuteやat the last secondといった「直前に」という意味の表現と一緒に使われることも多いです。

1. 相対位置を表わす4つの基本的な前置詞


マーク・ピーターセン氏の「日本人の英語」によると、in,on,out,offの4つは、相対位置を表わす英語の最も基本的な前置詞だそうです。実際、Jさんのアメリカ生活と照らし合わせてみても、日常会話の中でこれら4つの英単語を聞かない日はなかったのではないかと思うくらいによく使われていました。ですから、前置詞・副詞のイメージをつかもうとする場合、まず、この4つから取り組むのがよいと思います。

2. offは2次元、outは3次元


ピーターセン氏は、先の「日本人の英語」の中で、

「outというのは三次元関係を表わし、動詞に「立体感のあるものの中から外へ」という意味を与える」

「offというのは二次元関係を表わし、動詞に「あるものの表面から離れて」という意味を与える」


と言っています。Jさんにとって、この説明は、in, out, on ,off の4つの前置詞のイメージをつかむことにとても役立ちました。

on とoffは対義語ですが、そのイメージは共に二次元(2D)
一方、in とout も対義語で、そのイメージは共に三次元(3D)です。


3. outとoffの違いを考える


ここでは、washという動詞にoffとoutを組み合わせ、その違いを考えてみます。

1) You have to wash off the wall before moving out.
2) I washed out this vase for flowers.

いかがでしょう?
1)は、壁です。引っ越し前に壁をキレイにするわけですが、壁は2D(面)ですよね?ですから、offを使うことで壁の表面についた汚れを落とすいうシーンがより鮮明になるわけです。

一方、2)は花瓶を洗うわけですが、外側だけでなく、その内側もゴシゴシと洗うシーンが想像できます。つまり、花瓶という立体的な物体をキレイにするので、3次元を表わすoutを使うとしっくりきます。

「日本人の英語」の中では、clean out your mouth (口をすすぐ)、clean off the dishes (皿を洗う) 、keep off the grass (芝生に立ち入るな)などの例を用いてoutの立体的な、そしてoffの平面的な感覚が説明されています。この感覚をもって絵や写真を数多く見ることで前置詞のイメージがますますつかめるようになりますので、この記事で紹介したような勉強を試してみてください。

*実は、前置詞を次元にカテゴライズするというアプローチは、『改訂版 ネイティブの感覚で前置詞が使える』でもとられています。0D(点),1D(線),2D(面),3D(空間),となっているのですが、正直、Jさんは、この分類はほとんど参照していません。on が1D (線)、outが2D (面)となっているのですが、どうにもしっくりこないからです。むしろ、ピーターセンさんが書いているような、表面にくっついているon や表面から離れるoff、空間の中から外へ出ていくout、といったイメージがしっくりくると考えています。

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