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中・上級レベルの方を念頭に記事を書いています。Speaking/会話は、句動詞中心。細かなニュアンスを表現できると、英語の世界がグッと拡がります。単語は、英検1級レベルのものもボチボチ取り上げます。英語で色々な科目を学ぶことのおもしろさについても書いてます。

タグ:ネイティブ感覚

1. なぜ前置詞・副詞が大切なのか?


英語のネイティブスピーカーは、日常会話の中で 句動詞 (基本動詞+前置詞・副詞の組み合わせ)をとてもよく使います。ですから、句動詞を学ぶことで英語表現の幅が広がり、英語力が大きく向上する、という話は今までにも何度か取りあげてきました。

ですが、基本動詞と前置詞・副詞のどちらがより重要かといえば、それは、前置詞・副詞です。

というのも、句動詞の意味を決定づけるのは、前置詞・副詞の方だからです。
comeやgetのような基本動詞は、いろいろな意味になれる万能な単語ですが、裏を返せば、そこにはある種の曖昧さがある、とも言えます。ですから、基本動詞のもつ曖昧さを取り除き、意味をより限定していく働きをする前置詞・副詞の役割がより大切になります。

そんな大事な役割をもつ前置詞・副詞を深く理解できれば、さまざまな状況をより詳しく、細部まで英語で表現できるようになりますし、相手の話を聞いた時にも、頭の中により鮮明なイメージをもつことができるのです。

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2. 前置詞・副詞のイメージ


前置詞・副詞を深く理解するためには、まず、その単語がもつイメージ・感覚をつかもうとする意識がとても大切です。on 「〜の上に」、in 「〜の中に」といった具合に、1つの英単語に1つの日本語訳をあてて覚えているだけでは、このイメージや感覚はとても身につきません。

イメージや感覚を身につけるためには、文字よりも絵や写真を見ることがとても効果的です。Jさんが一番オススメするのは、この記事でも紹介したロス典子さん著 ネイティブの感覚で前置詞が使えるです。

4歳半のお子さんが、アメリカ生活をとおして英語を身につけていく過程を観察していくと、.....「動詞はほとんど getで間に合わせ、get on,get in,get at などin,on,atを使い分けることで内容豊かに話してい」たことに気づき、ネイティブの子どもたちが前置詞の使い分けを習得していく方法を疑似体験できる本として出版されました。

1) 絵をながめ、2) 音声を聞き、3) 自分でその絵を描写してみる、というサイクルを繰り返すうちに、それぞれの前置詞がもつイメージや感覚がだんだんと身についてきます。このイメージができてくると、ムズカシイ単語が分からなくても、英語表現の幅を広げることができます。

英語の「会話力」を伸ばしたい、という場合、「前置詞」に注目してみることをJさんは強くおすすめします。

in, on, with, at, over, などなど英語に興味をもっている方なら、おそらく誰でも知っている単語ばかりですが、こういった基本的な前置詞を使いこなせるようになるためには、ちょっとしたトレーニングが必要です。

どんなトレーニングかというと、「見えたもの」・「見えたこと」とそれを表現するにふさわしい前置詞を考えるトレーニングです。


このトレーニングを繰り返していると、「in = 〜の中に」、「on = 〜の上に」、といった1つの英単語に1つの意味を当てはめることなく、inやonという単語がもつニュアンス・イメージがつかめてきます。

実際、Jさんもアメリカにいる間、このトレーニングにそれなりに時間を割きました。

何時間やればいい、といった類のものではないですが、前置詞のニュアンス・イメージがつかめてくると、間違いなく英語の表現力があがりますし、より細かなことを正確に言えるようになります。ムズかしい英単語を覚えるよりも格段に早く英会話力が伸びるので、やってみてください。


Jさんがトレーニング教材として当時(2011年頃)よく使ったのは、改訂合本 ネイティブの感覚で前置詞が使えるでした。

ネイティブの子どもが、基本動詞+前置詞でたくさんのことを表現している点に注目し、子どもが前置詞をどのように使い分けているかを研究して考案されたというこの本の利点は、なんといっても"前置詞のイメージ(感覚)がつかめること"

普通の会話でも大学の入試問題のように、正しい前置詞は1つしかないと思い、自分の選んだ前置詞が間違っていることを恐れていたJさんには、本当に画期的な一冊でした。

ただ、この改訂版には音声がありません。語学をマスターするのに一番使うべきなのは、耳だと考えるJさん的には、この点がマイナスポイントでした。

・・・が、作者のロス典子さん、この本のiPad版も出されました。こちらは音声も収録されており、より効果的なトレーニングが出来ると思います。YouTubeで無料版が見られるので、興味のある方はぜひ。

ネイティブの感覚で前置詞が使える

ちなみに、Jさんのやったトレーニング方法は、

1. まずは、絵を見ながら音声を聞く。
2. 次に、絵を見て、自分でその場面を描写してみる。
3. 最後にまた 絵を見ながら音声を聞く。


最初は1をざっとやり、ある程度分かってきたら2 - 3を何度もやるという感じです。

これを繰り返すうちに、前置詞のイメージができてくるので、是非、試してみてください。

*2011年5月22日の記事を大幅加筆・修正


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