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中・上級レベルの方を念頭に記事を書いています。Speaking/会話は、句動詞中心。細かなニュアンスを表現できると、英語の世界がグッと拡がります。単語は、英検1級レベルのものもボチボチ取り上げます。英語で色々な科目を学ぶことのおもしろさについても書いてます。

カテゴリ: ネイティブ感覚

ネイティブの思考を知ることは、英語のライティング力を強化する上でとても役立ちます。

特に、やり取りする相手がアメリカ人やイギリス人といった英語ネイティブである場合、自分がどのような点に注意して書けば、より正確に、細かなニュアンスまで伝えられるのかが分かるので、英文を書く力を高めたいと考えている方は是非トライして見てください。

ネイティブの思考を学ぶためにJさんが参考にしたのは、『日本人の英語』でおなじみのマーク・ピーターセン著 『ピーターセンの英文ライティング特別講義40』です。英語の文法書として高い評価を得ている『ロイヤル英文法』の著者でもあるピーターセンさん。日本の大学生や研究者の英文添削を30年以上やられており、40の講義を通して、日本人がよくやる間違いやそれを正すために必要な意識づけについて教えてくれます。

動作動詞の現在形は、基本的に、習慣や繰り返しやることを示す
英語の現在進行形は、主に、何かをやっている途中であることを示す
be going toは、「一時的な能力・可能」を表す一方、canは「身に備わった継続的能力」を示す
英文を書いたあとに、名詞の「冠詞」と「数」をひと通り確認する習慣づけの必要性
新しい情報として出す時に用いるbecauseと読み手が既にその情報を知っている前提で用いるsince


・・・等々を知ることで、自分が書く英文を英語ネイティブにどのように読まれるのかが想像できるので、より正確に伝えるために必要な書き方を考えるようになり、英文ライティング力の向上につながるわけです。内容的には、『日本人の英語』などピーターセンさんの他の著作と重複する部分もありますが、それでも、この40の講義をひと通りマスター出来れば、冒頭にかかれている通り「英語での『伝達力』は確実に向上する」でしょう。

欧米で10年以上駐在員をしているJさんですが、お陰様で、英語で書いた議事録やレポートについて、ネイティブから非常にポジティブなコメントをもらうことが多いです。そんなJさんが参考にしたのが、マーク・ピーターセン著 『ピーターセンの英文ライティング特別講義40』です。興味を持った方は、是非、トライしてみてください。

1. ネット「で」という時の前置詞


Jさんの経験上、ネット「で」という時は、on the Internet が一般的だと思っています。前置詞の感覚やイメージにもとづく確固とした理由があるわけではないのですが、アメリカ生活を通してよく聞いたのがon the Internet だったからです。ですが、よくよく考えてみると、日本語では、"ネット空間"とか"ネット社会"と言ったりもするわけで、どこか3次元的な雰囲気がなくもありません。in the Internet でもよさそうな気がしてきたので、調べてみることにしました。

Internet_image

2. 英語フォーラムの投稿によると。。。


on the Internet in the Internet でググってみると、まさにJさんの疑問に答えてくれそうな英語フォーラムのスレッドが見つかりました。参照したのはこのサイトですが、大方の人が on the Internet を使う、と言っています。

インターネット上で見つけることができるデータやウェブサイト(情報)というのは、「日本人の英語」の著者であるマーク・ピーターセン氏の表現を借りると、可分で平面的な感じがするから、on the Internet が主流となっているのではないか、とJさんは考えました。逆に、in the Internet というと、見つけた情報もインターネットも混ざり合っていて切り離すことができないもののように感じるわけです。

また、別の解説サイトには、

When something is part of the Internet, we say that it is “on the Internet”, not “in” or “at” the Internet

と、何かがネットの一部分である場合、on the Internetであり、in や at the Internetとは言わない、とハッキリ書かれていました(ソースは、こちら)。

3. Internet と共に用いられる可能性のある他の前置詞


on the Internet が主流とはいえ、他の前置詞と共に使われるケースが全くないわけではありません。

例えば、

You can buy the toy over the Internet.

と言ったりもします。ネット「で」買えるよ、といったニュアンスですが、この場合は、手段を表わすoverが使えます。

またネットを介してデータを送る場合には、

The data will be sent over the Internet

のようなケースもあるでしょう。

他にも、access to the Internet, learne from the Internet, in the Internet era, などなど、文脈によってはon 以外の前置詞が使われるケースもあります。短いですが、この記事も参考になりました。

1. 相対位置を表わす4つの基本的な前置詞


マーク・ピーターセン氏の「日本人の英語」によると、in,on,out,offの4つは、相対位置を表わす英語の最も基本的な前置詞だそうです。実際、Jさんのアメリカ生活と照らし合わせてみても、日常会話の中でこれら4つの英単語を聞かない日はなかったのではないかと思うくらいによく使われていました。ですから、前置詞・副詞のイメージをつかもうとする場合、まず、この4つから取り組むのがよいと思います。

2. offは2次元、outは3次元


ピーターセン氏は、先の「日本人の英語」の中で、

「outというのは三次元関係を表わし、動詞に「立体感のあるものの中から外へ」という意味を与える」

「offというのは二次元関係を表わし、動詞に「あるものの表面から離れて」という意味を与える」


と言っています。Jさんにとって、この説明は、in, out, on ,off の4つの前置詞のイメージをつかむことにとても役立ちました。

on とoffは対義語ですが、そのイメージは共に二次元(2D)
一方、in とout も対義語で、そのイメージは共に三次元(3D)です。


3. outとoffの違いを考える


ここでは、washという動詞にoffとoutを組み合わせ、その違いを考えてみます。

1) You have to wash off the wall before moving out.
2) I washed out this vase for flowers.

いかがでしょう?
1)は、壁です。引っ越し前に壁をキレイにするわけですが、壁は2D(面)ですよね?ですから、offを使うことで壁の表面についた汚れを落とすいうシーンがより鮮明になるわけです。

一方、2)は花瓶を洗うわけですが、外側だけでなく、その内側もゴシゴシと洗うシーンが想像できます。つまり、花瓶という立体的な物体をキレイにするので、3次元を表わすoutを使うとしっくりきます。

「日本人の英語」の中では、clean out your mouth (口をすすぐ)、clean off the dishes (皿を洗う) 、keep off the grass (芝生に立ち入るな)などの例を用いてoutの立体的な、そしてoffの平面的な感覚が説明されています。この感覚をもって絵や写真を数多く見ることで前置詞のイメージがますますつかめるようになりますので、この記事で紹介したような勉強を試してみてください。

*実は、前置詞を次元にカテゴライズするというアプローチは、『改訂版 ネイティブの感覚で前置詞が使える』でもとられています。0D(点),1D(線),2D(面),3D(空間),となっているのですが、正直、Jさんは、この分類はほとんど参照していません。on が1D (線)、outが2D (面)となっているのですが、どうにもしっくりこないからです。むしろ、ピーターセンさんが書いているような、表面にくっついているon や表面から離れるoff、空間の中から外へ出ていくout、といったイメージがしっくりくると考えています。

1. なぜ前置詞・副詞が大切なのか?


英語のネイティブスピーカーは、日常会話の中で 句動詞 (基本動詞+前置詞・副詞の組み合わせ)をとてもよく使います。ですから、句動詞を学ぶことで英語表現の幅が広がり、英語力が大きく向上する、という話は今までにも何度か取りあげてきました。

ですが、基本動詞と前置詞・副詞のどちらがより重要かといえば、それは、前置詞・副詞です。

というのも、句動詞の意味を決定づけるのは、前置詞・副詞の方だからです。
comeやgetのような基本動詞は、いろいろな意味になれる万能な単語ですが、裏を返せば、そこにはある種の曖昧さがある、とも言えます。ですから、基本動詞のもつ曖昧さを取り除き、意味をより限定していく働きをする前置詞・副詞の役割がより大切になります。

そんな大事な役割をもつ前置詞・副詞を深く理解できれば、さまざまな状況をより詳しく、細部まで英語で表現できるようになりますし、相手の話を聞いた時にも、頭の中により鮮明なイメージをもつことができるのです。

preposition_image

2. 前置詞・副詞のイメージ


前置詞・副詞を深く理解するためには、まず、その単語がもつイメージ・感覚をつかもうとする意識がとても大切です。on 「〜の上に」、in 「〜の中に」といった具合に、1つの英単語に1つの日本語訳をあてて覚えているだけでは、このイメージや感覚はとても身につきません。

イメージや感覚を身につけるためには、文字よりも絵や写真を見ることがとても効果的です。Jさんが一番オススメするのは、この記事でも紹介したロス典子さん著 ネイティブの感覚で前置詞が使えるです。

4歳半のお子さんが、アメリカ生活をとおして英語を身につけていく過程を観察していくと、.....「動詞はほとんど getで間に合わせ、get on,get in,get at などin,on,atを使い分けることで内容豊かに話してい」たことに気づき、ネイティブの子どもたちが前置詞の使い分けを習得していく方法を疑似体験できる本として出版されました。

1) 絵をながめ、2) 音声を聞き、3) 自分でその絵を描写してみる、というサイクルを繰り返すうちに、それぞれの前置詞がもつイメージや感覚がだんだんと身についてきます。このイメージができてくると、ムズカシイ単語が分からなくても、英語表現の幅を広げることができます。

英語の「会話力」を伸ばしたい、という場合、「前置詞」に注目してみることをJさんは強くおすすめします。

in, on, with, at, over, などなど英語に興味をもっている方なら、おそらく誰でも知っている単語ばかりですが、こういった基本的な前置詞を使いこなせるようになるためには、ちょっとしたトレーニングが必要です。

どんなトレーニングかというと、「見えたもの」・「見えたこと」とそれを表現するにふさわしい前置詞を考えるトレーニングです。


このトレーニングを繰り返していると、「in = 〜の中に」、「on = 〜の上に」、といった1つの英単語に1つの意味を当てはめることなく、inやonという単語がもつニュアンス・イメージがつかめてきます。

実際、Jさんもアメリカにいる間、このトレーニングにそれなりに時間を割きました。

何時間やればいい、といった類のものではないですが、前置詞のニュアンス・イメージがつかめてくると、間違いなく英語の表現力があがりますし、より細かなことを正確に言えるようになります。ムズかしい英単語を覚えるよりも格段に早く英会話力が伸びるので、やってみてください。


Jさんがトレーニング教材として当時(2011年頃)よく使ったのは、改訂合本 ネイティブの感覚で前置詞が使えるでした。

ネイティブの子どもが、基本動詞+前置詞でたくさんのことを表現している点に注目し、子どもが前置詞をどのように使い分けているかを研究して考案されたというこの本の利点は、なんといっても"前置詞のイメージ(感覚)がつかめること"

普通の会話でも大学の入試問題のように、正しい前置詞は1つしかないと思い、自分の選んだ前置詞が間違っていることを恐れていたJさんには、本当に画期的な一冊でした。

ただ、この改訂版には音声がありません。語学をマスターするのに一番使うべきなのは、耳だと考えるJさん的には、この点がマイナスポイントでした。

・・・が、作者のロス典子さん、この本のiPad版も出されました。こちらは音声も収録されており、より効果的なトレーニングが出来ると思います。YouTubeで無料版が見られるので、興味のある方はぜひ。

ネイティブの感覚で前置詞が使える

ちなみに、Jさんのやったトレーニング方法は、

1. まずは、絵を見ながら音声を聞く。
2. 次に、絵を見て、自分でその場面を描写してみる。
3. 最後にまた 絵を見ながら音声を聞く。


最初は1をざっとやり、ある程度分かってきたら2 - 3を何度もやるという感じです。

これを繰り返すうちに、前置詞のイメージができてくるので、是非、試してみてください。

*2011年5月22日の記事を大幅加筆・修正


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